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「志乃ちゃんこれからどうするの?」
「…仕事探して、自分のしたいことします。両親ももう私には何の期待もしないと思うから」
「そっか。これからは好きなように生きれるといいね」
一緒に…と言いかけてやめた。
それを言うのはまだ早い気がする。
「はい」
沈黙が流れて、店内の壁掛け時計の針の音がやけに大きく聞こえる。
「また…お店来てね。正式に婚約破棄して色々落ち着いたら、俺志乃ちゃんに言いたいことあるよ」
「それは…期待してもいいやつですか?」
彼女が涙目になって俺を見る。
「期待してもいいやつだと思う」
笑って言うと、彼女も安心したように笑った。
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