俺たちの望むストーリーへ

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 夢の内容はざっくり言うと、自分の描いている漫画のキャラたちが原稿から抜け出し、ああでもない、こうでもないと訴えてくるというもの。  漫画の内容は一般的な少年漫画で、冒険を通して主人公の成長を描くものだ。それなのに、まず主人公がこんな修行で強くなるはずないと言い出したのだ。 「お前はもう少しリアリティを追求しろよ」  さらにはそんなことまで言う始末。リアリティって言ったところで、現実世界にはスライムも竜もいねぇよとツッコんだ。 「は?それをいるように成り立たせんのが、お前の仕事だよね?」  主人公、強かった。しっかりそう反論してくれる。へん、所詮はトムトムとあだ名されるお前が何言っても怖くねぇよ。俺はまだまだ強く主張してみる。 「まあ。トムトムの悪口言うなんて、それでも作者なの?愛着持ちなさいよ」  そこに待ってましたと、主人公トムトムの彼女兼ライバルのティナが割って入ってくる。こうなるとカオスだ。 「う、うるさいっ」
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