死を見ゆる神

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 目を覚ましたとき、竜胆の叔父がひとり、隣にいた。  戸口から緋色の光が漏れていた。叔父の家の中のようだった。 「……お前、泣きながら山を下りてきたんだ。村に着いた途端、びたーっと倒れてよ。一日、眠ってたんだぞ」  わたしはうつむいて、言葉をぽとぽとと落とした。 「……ツノガミの薬を飲んだ。……わたしは、外の者だから。薬を飲めば……」    叔父は黙って聞いていた。眉毛の形が少し竜胆に似ていた。 「死ねると、思った」  叔父は目を伏せ、静かに答えた。 「……お前はもう長い間、この村の土でできたものを食い、この村の川でとれた魚を食い、水を飲んで生きている。お前はもう、村の娘だ。村の者にとって、角の薬は毒にはならない」
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