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黒の追跡者③
その瞬間、電子ガンのショットビームが交差した。
「誰だ？邪魔するやつは？」
灰原を霧が取れかかってる周りを見渡した。
「お嬢さん、いや真木村上官。」
上願は真木村夕子の姿を確認した。
「ごめんなさい。どうしても気にかかることがあって。追っていたの。」
夕子は上願を見つめた。
「ふふふ、まいったよ。あんたには全てお見通しか。」
「そういうこと！」
灰原は横槍が入ったことに我慢がならなかった。
「お前は海西市のスナイパー、真木村か」
「そうよ。あなた上願さんの同期だったんでしょ。捜査官としての誇りはないの？」
「ふん、そんなものはとっくの昔に捨てたわ。くらえ、小娘！」
灰原は電子ガンを夕子に向けて放った。
しかしその瞬間、夕子は飛び上がり、光線を避けた。そして灰原へ目掛けてショットを打った。
「うぐっ。」
灰原は悲鳴をあげ、地面に屈した。
左手で押さえた左眼から血が流れていた。
おそらくショットは左眼を貫通したのだろう。
「灰原様」残っていた伏兵3人が駆け寄る。
「えーいどけ！」
灰原は立ち上がり、戦闘員らを追い払おうとした。
「灰原さま、ここは一旦引き返しましょう。」
「おのれー貴様ら覚えていろ！
灰原と伏兵は霧がまだ残ってるところに潜ませ逃走した。
「灰原待て！」
上願は後を追おうとしたが、夕子は止めた。
「上願さん、ここは私たちも引きましょう。怪我を治してから。」
上願は伏兵を倒す際、左足に銃撃を受けていた。改めて夕子の鋭い観察力に上願は観念した。
「あんたの言う通りだ。上官これからも頼むぜ。」
「ええ、上願さん、こちらこそ」
夕子は上願という男を今初めて理解出来た。
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