生首少女

2/14
前へ
/14ページ
次へ
☆☆☆ その日、私は高校の文化祭の準備で遅くなってしまった。 秋の日は釣瓶落としと言うが、その日はすっかり日が暮れて少し冷たい秋の風が身に染みていた。 「ヤバイな。亜沙菜に今日は早く終わるからって言っちゃったよ…」 友人の亜沙菜と今日は家で勉強会をする予定だった。 もうすぐ来る定期試験に備えて。 昨日見た都市伝説の話が頭をよぎった。 なんとなく胸騒ぎがする。 早く亜沙菜と会った方がいい気がする。 そのまましばらく歩いていると後ろから可愛らしい声がする。 「すいません、ちょっと無くしものをしまして。」 やっぱりか、と思った。 こういうことが起きるのでは無いかという予感があった。 私はゆっくりと振り返った。 そこにはやはり首から下のない女の子が立っていた。 「私の体を知りませんか〜」 私は噂なんかではなく、実在するその子の目をしっかり見据えた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加