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「えー、いいじゃん行こうよ」
「パス。他の人と行けばいいじゃん」
アタシは食べ終わったから、逃げようとする。
けど、カナエの方が一枚上手だった。
「そういえば私、この前エマにノート貸してあげたよね」
思い出したかのように、ニンマリと笑うカナエ。
失敗した。
この前オールして、一限行けなかった時のノートを、コピーさせて貰ったヤツだな。
あの時は、カナエも一緒に居たのにもかかわらず、一人律儀に一限から出てて、大分怒っていた。
ノートを貸してもらう時だって、随分頼みこんだのに、今言うの。
「あー、あの時は本当に眠かったな。けど、エマのためにノートとってあげて、私って何て優しいんだろう。
そういえば、あの時のお礼まだ貰ってなかったな」
こんな事なら、さっさと学食奢るとかしておけば良かった。
うう、とアタシは唸ったあと「行かせていただきます」としぶしぶ返事をした。
「さすが、親友。頼りになる」
楽しそうなカナエとは反対に、アタシは頭が痛くなる。
そして、もう一人の頭痛の種が、アタシの隣に座る。
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