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台所に行って水を一杯飲んで、改めてパソコンの前に腰を下ろす。
そして、新たに書き始めた小説の続きに取り掛かろうとすると、ふと、れいかのことが頭を過った。
これだけはもう、どうしようもない。
俺は、れいかが死んで以来、小説を書こうとすると、必ずれいかのことを思い出してしまうようになった。
二週間たっても、頭の中のれいかは色あせることなく、いたずらっぽい笑みを浮かべている。
そしてそのたびに、思う。
れいかは、死にながらにして生きる道を選んだのだ、と。
了
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