エピローグ

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 俺の妄想をかき消すように、鈴寧さんが口をはさんだ。 「それと、あなたがれいかちゃんにプレゼントしたぬいぐるみは、きちんと一緒に天国に送っておいたから。今日はそれを報告しにきたのよ」 「そうですか……。ありがとうございます」  鈴寧さんは腕時計に視線を落とすと、「あっ」と短い声を上げた。 「ごめんなさい。もう行かないと。次の仕事が入ってるから」 「はは。大変ですね」 「えぇ。じゃあ、元気でね。いろいろありがとう」 「こちらこそ、ありがとうございました。お元気で」  バタン、と扉が閉まると、再び静寂を訪れた。
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