第01章 『夢月れいかは邂逅する』

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 ゆっくりとした丁寧な口調で、司会を務めていた女の人が私を椅子から立たせた。  その時にマイクを渡されそうになったけれど、恥ずかしくて断った。  自分自身の遺影が飾られている祭壇の前に立ち、参列している人たちを見渡すが、みんなうつむきがちなため、頭頂部ばかりが並んでいて誰が誰かわからなかった。 「えっと……この度は、生前葬という形で私を送り出していただき、誠にありがとうございます。幼い頃、お医者様から、自分の寿命は十七歳までだと聞かされた時は酷く落ち込みましたが、家族の懸命な支えもあり、どうにかこれまで大きな病気や事故もなく、寿命まで生きることができました。本当にありがとうございました。残りわずか一週間の命となりましたが、どうか、それまでよろしくお願いします」  わぁ、っとお母さんが大声で泣き崩れると、妹もお父さんも、他の親族たちも、式場に勤めている職員の人たちも、みんな一様に眉をひそめて悲しみに暮れた。  私はその真っただ中で、苦虫を噛み潰したような心持ちだった。  いい加減にしてよ……。
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