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これは偶然なんだろうか。
僕のことは知らないはずなのに同じ大学で同じサークル。
名前はわかるかもしれないけど進路まではわからなかったはず。だって僕の心の中にしか答えがないから。
それに不合格だったらここにはいない。
彼はどうしてここにいるんだろう。知りたいことが多すぎて頭の中がぐらぐらしてきた。
その後のことはあまり記憶がない。明日も講義なので早めに解散してそれぞれ家路につく。
まだ終電に間に合うし早くその場から逃げたくて急ぎ足で駅に向かった。
「黒川くん」
恐る恐る振り返ると志音がついてきていた。
「帰り道同じ方向だから一緒に帰ろ」
「ね?のび太くん」
「え?」
「だってメガネ」
そう言って僕の眼鏡を取り上げて自分にかけた。
「ちょっ!」
「あれ、これ度が入ってないじゃん。伊達メガネ?」
そう言ってものすごい速さで走り出した。
わけがわからない。
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