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「これからは目の動きも練習もさせよう」「ひとつできたら、たくさんの可能性が広がる」「もしできなかったら代替を探すことも教えよう」
桃季さんは、ぱんつのゴムを出してきた。
「靴ひもが結べないなら、靴ひもをぱんつのゴムにすれば良い」
「え」
(パンツのゴム!?パンツのゴムをなんて靴紐に使うの!そしてなんで普通にこの家はパンツのゴムがあるの!)
ついこの間まで独身だった、お金持ちの一人暮らしのマンションに普通に置いてあるパンツのゴム……シュールだ。
が、桃李さんはいう。
「俺は中学まで靴ひもが結べなくて」「ぱんつのゴムを靴ひもにしといたんだ」
「……」
「一回だけ誰かに結んでもらえば」「あとは結び直さなくて良い」「だってゴムは伸びるからね」
「…」
「でも大人になった今は、脳外科医として、針を使える」「ある日突然、小さな努力は積み重なり、奇跡を起こすんだ」
だから、俺たちは努力が大好きなんだよ。
(なんか泣けてきた)
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