206人が本棚に入れています
本棚に追加
カイはニコニコしながら、厚紙から出ているヒモを結んでは解く。
「カイ。綾とりやるか」
「綾とりは苦手です」
「できるさ」
器用な桃季さんがたくさん、あやとりを見せる。
その器用さはすべて彼の努力なのだ。
「ぱんつのゴムだけどさ」
桃季さんが私に小さな声で言った。
「俺の心のゴムも弛んじゃってます」
「え」
「自制心弛緩」
素早く頬にキスをくらった。
「俺たちはこんくらいからスタートね」
超いちゃいちゃが苦手な私に桃季さんは言う。
「これはオーケー?」
「う」
「ん~。早くいちゃいちゃしたいな~♪」
桃季さんの目が輝いている。
「代替を見つけよう」
「え」
(まさか新しい彼女!?)
だけど、桃季さんは、ニコニコ笑って私を見てる。
「待ってろよ、必ず押し倒してやるからな♪」
最初のコメントを投稿しよう!