夢にした昨日

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「ごめんね、ユラ。本当は、すぐにでも、また会いにくるつもりだったの。」 あの約束をした日、沙良はいつだってユラのもとに戻って来れると信じていた。 それができなかったのはーーーきっと 「こんなこと、あるはずないって、、、 ユラとの思い出、なかったことにしちゃってた。」 沙良の目からは涙が溢れていた。 ーーー私はなんて自分勝手なんだろう。 約束を勝手に忘れていたくせに、ずっと会いたかった、なんて思ってる。 本当は、ずっと、何年も ユラを探していたような気さえするのだった。 ーーー「大人になるとみんな、無かったことにしちゃう。私のこと、いなかったことにしちゃうの。」 かつて彼女が言った言葉の意味を、 理解できるようになってしまった自分が悔しくて、沙良は泣くことをやめられなかった。 ユラの存在を夢か幻のようなものだと決め付けてーーー忘れてしまうなんて。 「泣かないで、サラ。 私は感謝してるんだよ。」 ユラは変わらず嬉しそうだったが、綺麗な声は本当に幻のようで、沙良は余計に悲しかった。 「私、忘れないって言ったのに。」 「サラの心のどこかに、私の名前があったから、ここに戻ってこれたんだよ。」 ユラは沙良から離れて、ふわりと回った。 「見て。この世界は、私の世界なの。」 「ユラの世界?」 「そう、私の世界。私の家、って言ったら分かりやすいかな。ここには私しかいないの。」 ーーーユラしかいない世界。通りで、何も生き物がいないはずだ。 「私はどうやって、ここに来たの?」 沙良が尋ねると、ユラが不思議そうな顔をする。 「知らないの?」
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