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小さい頃のことを思い返すと、
その中に
なんだか奇妙な体験があったりする。
しかしそんな奇妙な体験の記憶を
歳を重ねる中で
あれは夢だったんだろう、
幻だったんだろう、なんて言葉で
片付けてしまいがちだ。
そうやって、
現実だけーーーいや
現実っぽいものだけを受け入れるようになる。
それはなんだか悲しいことではないか。
ーーー「大人になるとみんな、無かったことにしちゃう。私のこと、いなかったことにしちゃうの。」
あの日、
沙良はその言葉の意味を、自分が理解する日がくるなんて想像していなかった。
ーーー「‥‥サラ、また来てくれる?」
ーーー「忘れないよ。今度こそ。絶対にね。」
もう二度と、沙良はユラとの約束を忘れることはないだろう。
心の奥で、ずっと探していた友達。
沙良の心は暖かい気持ちで満ちていた。
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