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「零菜!!お誕生日、おめでとう!」
「さらちゃんだー!!」
姉の家に着くなり、
零菜が可愛らしい桃色のワンピースの裾を翻しながら沙良を迎えた。
「零菜も4歳かあ、お姉さんだね?」
「えへへへ。」
零菜はワンピースの裾をいじりながら照れ笑いをする。
4歳になった零菜はまた少し表情豊かになった気がして、沙良は感心してしまう。
「零菜ー!沙良ちゃんご案内してー!」
リビングから姉の美代の声がする。
「さらちゃん、こっちです!」
零菜は飛び跳ねながら廊下を進む。
スカートがふわふわと揺れて、髪の毛がさらさらと靡く。希望に溢れた全てがキラキラと輝いている。
「沙良ちゃん、来てくれてありがとう!零菜がずーっと待ってたよ。」
リビングではお母さんの顔をした美代が、手作りケーキを片手に沙良を迎える。
「ああ!こんにちは、沙良さん!」
そして、旦那さんの誠さんは
壁に《HAPPY BIRTHDAY》の飾り付けをしている真っ最中だった。
「お姉ちゃん久しぶり。誠さん、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫、大丈夫、、、」
少し歪んだ飾り付けを見て誠さんは困ったように笑っていた。
それを見た零菜はこの世で一番幸せそうに笑っていた。
ーーー零菜はこれから、どんな冒険をするんだろう。
沙良は、彼女の冒険が、きっと不思議で面白くて素敵なものになることを願った。
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