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「そんな心配より貴方は"国"の為に他に考える事が沢山あるでしょ?」
おぎと彩夏は先程の書斎から寝室に移動し寝床に着きながら会話をしている
天蓋付きで人2人が寝転んでもまだまだスペースがあるデカいベッドに彩夏はまだ慣れていなく眠りにつくまで会話をするのが就寝前の日常だ
だがおぎは何時でもどこでも眠りにつけるという図太い神経の持ち主の為にその就寝前の日常が凄く苦痛だが彩夏がこの生活に慣れるまでは可愛い寝顔を見るまでは先に眠りつかないでいた
(眠ったか…)
眠気と戦いながら会話をしていたおぎは彩夏から寝息が聞こえると彩夏の寝顔を確認した
彩夏の寝顔を見たおぎはその可愛いさに思わず唇にキスをしたがどこか不安に苛まれる
(彩夏、お前は本当に俺の事を…)
一抹の不安が頭をよぎるがおぎは眠気に負け寝息を立て眠りについた
おぎと彩夏は25歳の時に入籍しもう4年夫婦生活を共にしている
彩夏は18歳になる歳に許嫁として嫁ぎ先のおぎの元にやってき、初めておぎと顔合わせをし嫁ぐ先を知った彩夏は憎悪の念と自責の念が心の中で渦巻いた
(あぁ… こいつが…)
おぎの顔を見た彩夏は裏で手を引いていたのはおぎだと確信しそれに加え助長していたのは自分自身だと言う事が分かりその場で泣き崩れた
人質の役目を担い、許嫁としての覚悟を持ってここに赴いたがおぎと顔合わせした事によりその覚悟は一瞬で虚空へと消え、喪失感と嫌悪と自身への憤怒がもつれ合いいがみあって打ち回るようだった
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