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joker
「はぁー」
と小さくため息をつく1人の男
今まさにこの男の目の前で複数台の単車とパトカーが追っ掛けっこを繰り広げている
そうこの場面を一言で簡単に片付けると"暴走"てやつだ
恐らく2.30台ある単車達は片側3車線ある道路を縦横無尽に走りたい放題している
車線を塞ぐ様に蛇行走行する者
前輪を浮かせ今にも落ちそうになっている者
アクセルを握った方の手を激しく動かし音を奏でる者
手離し運転をし両手でバンザイしてる者
どの単車も普通に走っている単車はなく好き勝手に暴れている
暴走が激しくなるのと比例しパトカーの台数は増えその場が騒がしくなるにつれギャラリーも増え辺りはカオスと化している
その暴走の様とギャラリーを一望出来る国道を跨るように架けられてる歩道橋に2人の男が居た
「よくもまあこのご時世に暴走とかすんなー」
先ほどため息をしていた男がそう呟くと隣に居た者が失笑しながら言葉を発する
「いやこの暴走の主催は"あなた"ですけどね」
それ聞いた男は呆れた顔をする
「お前がそれ言うんか」
そう言って歩道橋の手摺りに体重を預け肩を落とす
そうこの歩道橋で落胆している男こそがこの暴走を仕切る首謀者
大山力だ
見た目は華奢で上背は小さくはないが高くもない至って普通で髪は黒く服装も紺色のジーパンにグレーのパーカーと普通でどこにでも居てそうな量産型だ
どこからどう見てもこの暴走仕切れるような風貌には見えないのだが唯一"目付きが鋭い"という点だけは普通の人から感じ取れない程の鋭さを待ち合わせていた
では何故こんな普通に見える男がこの大規模な暴走を主催出来るのかと言うと、この暴走を繰り広げている単車は全て「韋駄天」という名前を掲げた今では珍しい"暴走族"の単車である
そしてこの男が今の世では珍しい暴走族
「韋駄天」を創設した"総長"であるからだ
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