joker

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では何故、総長である力が暴走に参加していなのかと言うとそれには理由があり、それを説明するには力の生い立ちから振り返る必要がある。 ーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーー ーーーーーーーー ーーーーーー ーーーー ーー (さかのぼ)る事、17年前 力の父親である大山将大(おおやま まさひろ)は西日本を牛耳っている暴力団「山王会」の組長だった そう、この事から解るように力の家系は所謂(いわゆる)"ヤクザ"である そこに生まれ落ちた力は必然的に暴力が飛び交う世界で育ち、幼い頃から暴力に関する英才教育を叩き込まれいずれは"組の為"になるようにしごかれてきた 5つ上に兄の(あきら)がいる為に組を任せられる事はないが兄の右腕となるように父である将大から直々に晃と力は厳しく鍛えられてきた 兄の晃は体格に恵まれ類い稀なる才能でみるみると成長していったが一方の力は体格に恵まれず、線が細く秀でるものもなく至って凡の子だった そんな力を見て将大は見限り粗暴に扱いその上、兄の晃からは組み手という名の元の弱い者イジメをされる毎日で地獄の日々を過ごして来た 力は将来的には組の中でナンバー2の立ち位置を約束されているはずなのだが周りの組員達からにも可愛いがられる事はなく、嫡子(ちゃくし)である晃ばかりを組員達は慕い、良好な関係を幼い時から築いていた 力に害を及ばす訳ではなかったが幼い頃から力は家中で孤立していた そんな力にも唯一の心を許せる"存在"がある それは"母"である朱理(あかり)の存在だった 唯一、朱理だけは力の事を気にかけ愛情を注いでくれていた
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