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唯一、可愛がってくれていた母の朱理の事を力は大好きだった
女性にしては上背が高くすらっとした体型で
腰辺りまである長い髪は漆のように黒く、海藻に似た輝きを見せる
力はその朱理の髪が好きでいつも朱理に寄っては良く髪を触れていた
普段、朱理は目元が鋭く切れ長い目が力と接する時は笑みを浮かべ細くなる目はやはり力と類似的で血の繋がった仲睦まじい親子だった
そんな力の唯一の心の拠り所であった朱理は力が10歳の時に"この世を去った"
将大は朱理が亡くなった経緯は力には何も教えてはくれなかった
今までどれほど父の将大にぞんざい扱われても怒りを覚える事もあったが一切反発した事が来なかった力だったが今回だけは違った
朱理から受け継いだ鋭い眼光を際限に発揮し将大を睨みつけ怒号を浴びせた
その力のあまりにも凄い剣幕に周りの組員達は後に
「あん時のぼっちゃんは、まさに現役の時の姉さんの生き写しだった」
と語るぐらいの程だった
"最愛"だった母、朱理を死から力の人生は怒涛のように激しい人生を歩んでいくのであった
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