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力が家出をしようとして失敗した日から数日後
力はまだ何も見つけれずにいた
学校では近づいてる者もいなく家では鍛錬という名のしごきがあるので外に出れる時間などなく途方にくれていた
そんなある日、力に転機が訪れた
「はーい みんな授業始まりますよー!」
ガヤガヤとしていた教室に甲高い声が聞こえ教室中は静まり変えると、みな教壇に向きを変えた
そこに担任の先生が立っていて声の高さからして女性の教師だと解る
力は教壇からは1番遠い、後ろの席で突っ伏した状態でうたた寝していた
今日もいつもと変わらず朝の挨拶から始まり授業が始まるのと思っていたが
いつになっても号令がかからなかった力は不思議に思い、ふと顔を上げ教壇に視線をやる
先ほどまでうたた寝していたので焦点が合わず教師の姿がボヤける
目の焦点を合わせようとし力は目を擦る
段々と焦点が合い教師の顔が鮮明になっていった
(なんや? いつもと様子がちゃうけど…)
力はいつもと違う雰囲気を感じ取っていた
女性の教師は何故かニコニコしていて力にはそれが不敵な笑みに感じた
そんな事を思われているとは知らずに教師は口を開く
「ふふふ 今日はですね!授業の前に転校生を紹介します! さあ入ってきて!」
その教師の言葉一つで教室内は一気にざわつく
教師の異様なテンションが若干、カンに触るがこれには力も少しの期待感を持ち、机から上体を起こし教室の前のドアを見る
他の生徒達も例外ではなく転校生が入ってくるであろう前のドアに刮目した
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