joker

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「ちっさ…」 思わず力はそう呟く 教室に入ってきた転校生であろう人物に対し他の生徒も力と口には出さないが同じ事を思っていた 転校生はその雰囲気を感じながらも教師の声に誘導され教壇へと進む 教壇に立つと教師と横並びになっている状態なので転校生の上背の小ささはこの上なく(きわ)まった 女性の教師なのでさほどデカくはないのだがそれでも転校生の小ささはやはり目立った やがて教師に自己紹介を促され転校生は口を開く 「荻野裕貴(おぎのゆうき)と言います!よろしくお願いします。」 「そ、それだけかな? はい!拍手!」 教師が拍手するとそれに続くように生徒達も拍手した 転校生の荻野は無愛想な表情で軽く会釈するだけの自己紹介で終わった 荻野の見た目は特徴を挙げると目はくりっとしていて丸く 身長は小学4年生の平均値を軽く下回るほど小さいが頭の比率が多く3.4頭身ぐらいに見えて可愛い印象であったが 「先生一言だけよろしいですか?」 転校生の荻野は先生にそう問いかけ了承を得る 「このちっさいは身長は他界した母から授かった"物"なんです。それをバカにするなら誰であろうがぶっ飛ばしますよ?」 そう言い放つと荻野はニコっと微笑む これが力と荻野の強烈な"出会い"だった
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