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永田が帰ってしまうと、私はまた暇になってしまった。
私は永田のことを思い出しながら、一人でピカピカと光ってみたのだが、一人で光っているのは思った以上に虚しかった。
正月でもないが餅を食べてみたり、漫画を読んでゴロゴロとしていると、気づかないうちにまた寝てしまったらしい。
ウトウト...ウトウト...
どれくらい眠っただろうか?
ぼんやりと、白い人影が見える。
目が覚めるとそこには白装束の老人が二人、
牛乳を飲みながら、卓上コンロで真っ白な餅を焼いていた。
「だ、だ、だ、誰だ!」
二人の老人が振り返る。
皺だらけの、酷く醜い顔だった。
2人のうちの、ずる賢そうな方が言った。
「わしか?わしは40年後のおまえじゃ!」
「は?」
「もう一人のわしは50年後のわしじゃ!」
カオスである。
光り輝くと永田と誓ったのに...数十年後、私はこのざまだ。
おまえけに、40年後の私は、顔を誰かに殴られたような跡があった。
70歳を過ぎても、私は誰かに恨まれ殴られるのか...
そして40年たっても、50年たっても、私は正月でもないのに一人餅を焼いて食べているのである。
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