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不味いことになった。
確かにゴーマの人を見る目は本物だし、人の考えを読む能力も凄いものだが、一切デリカシーがなく言ってはいけないことをワザとか、というレベルで本人がいるのに言ってしまう奴なのだ。
ゴーマの家族に関しては、王妃が物凄いウェルカムなのでジョナサンがどうこう言えない状況になっている。
さっそくお腹の子の性別で盛り上がってるし、へーえ男なんだ次男か名前どうしよう前にフラさん男の子だったらいい名前があるって言ってたけど。
そう言えばフラさん臨月なんだよなヒャッホーイ!何だか常にフラさん妊娠てるって噂があるのもしょうがない。この前の正月の時は次女を妊娠しててこんどはその弟か。盗賊共をさっさと追い返して俺のメスワンちゃんの発情しきったうなじをクンクンしてやろう。お迎え棒でヌクヌク堪らん。
イゾルテもエメルダもユノもアリエールもみんな妊娠したがってるんだよな。
さっさと帰れお前等あああああああああ!俺のメスワンパラダイス満喫の邪魔すんじゃねえええええええええええ!
「とりあえずセントラルからだろう。だが全く匂いを感じないなんて何者だあの婆さん。一切移動の痕跡がないぞ」
「トキはそう言う奴だ。俺が察知出来ない唯一の存在だ。本来ならわざわざ探さんでも勝手に現れるのを待つ。それだけでいい。今までそれが当たり前で探したことがなかった。すまんなジョナサン。嫁愛人の尻を並べたかったのに邪魔しちまって」
「あっはっは!気にするなよゴーマ友達じゃないか俺達は。ただもっぺん言ったらイッパツヌイテモータをお前の腹と眉間にぶちこんでやる」
ジョナサンは既にオリハルコン製のウィンチェスターライフルを組み立てていた。
オリハルコンの弾核入りの減口径弾を滅茶苦茶殺傷性の高いコロラド撃ちする気満々だった。
「まあ本来家で大人しくトキを待つのが筋なんだが、せっかく車があるのに運転出来んのはつまらん。一応議員なんで無免許運転する訳にもいかんし」
「俺としては是非やってもらいたい。それで敷地をバンパーがちらっとでも掠めた瞬間逮捕してやる」
「お前はもう警官じゃないだろう島原」
「私人逮捕を忘れたのかお前は」
「ああそうだったが、道交法違反で私人逮捕が行使出来るのか?」
「現行犯であれば問題ない。落雷3000発分に相当する雷撃で動けなくなったところを警察に引き渡してやる。現職の国会議員が無免許運転など言語道断だ」
面倒臭い奴だなと勘解由小路がブチブチ言っていた。
ジョナサンは島原とは何度か会っていたが会話らしい会話をしたことはなかった。
正直それどころではなかった。
初対面がニュクスの時で、次は何年か前の弁天の時だった。
懐かしい匂いがしていた。清廉で気高いが一部ゴーマに毒された匂い。
その内ちゃんと話そう。それはともかく。
「車か。俺はちゃんと教習所通って免許取ったぞ。俺としては排ガスは臭いがガソリン車はこれはこれで好きだぞ。魔力炉搭載車の方が駆動系に干渉した時馬力はいいんだが。あれはあれで風情があってな。ちっちゃいカノンとか他の子供達乗っけて夕闇の峠でノンビリガソリン入れるのは好きだぞ。カーステレオから流れるニューヨーク・シティ・セレナーデなんか聴きながら安全運転で帰るんだ。給油したあとみんな寝ちゃって静かになるのがいい」
ちなみに貰った国際免許を提示してドヤって顔していた。
ちなみに他のいつものメンバーにも取らせたのは取らせたが、局部的に困ったことになった。
例えばオートマ限定でフランチェスカを指導者にしてちっちゃな軽自動車でノロノロと仮免車両で出ていった某愛人は、路上教習の予習でやらかした。
信号のない住宅街の十字路に迷い混んでいたひまわりママは、突如頭を出した車に反応したのだった。
慌ててハンドルを切りブレーキを踏んだがその車はひまわり用に出来ていなかった。
その日の内にジョナサンはぶつけられたおばあさんちに謝りにいくことになった。
ブレーキペダルを踏み抜きもぎ取ったハンドルを握って呆然としていたちっこい愛人を見た時、アースワンには神がいないことを悟っていた。
時速五キロでごっつんこしたおばあさんには全く怪我もなく、急遽超VIP待遇で招待したアースツー観光ツアーのあまりの歓待ぶりに、おばあさんは最終的にぶつけたひまわりを拝む羽目になった。
他にも一発合格しようとしてコンバーチブルで爆走して空中3回転して一発廃車にしくさった王族愛人とか路上教習にビビってキイイイイ!とかギャース!とか言って狂乱して対向車を爆裂魔法で吹っ飛ばした金髪の愛人とか煽ってきた後続車を熱線魔法で切り裂いた王子系愛人もいた。
こいつ等に免許取らすのに総計七億ループかかったのだった。
ちなみに国交正常化に際してループと円の取引も開始され、平均為替相場は1ループ100円だった。
「事故の揉み消しに百億単位かかったのはいいが、アースワンはお前等みたいに自在かつ精密に霊力を操れる奴はいないんだ。その点うちのキャンピングカーはそんじょそこらの大衆車じゃないんだ。キャンピングカーなのに車体重が軽自動車くらいだった。慌ててバラスト背負わせたんだ」
「簡単にオリハルコン使うなよ。一応こっちでも伝説級の金属だぞ」
「大量生産した魔王の奴に言えよ。あれで相場が崩壊した。まあオリハルコンシャーシを搭載してるのは宇宙で俺一人だしいいだろう。トキを探せジョナサン。お前の追跡能力を俺は大いに買ってるんだ頼むぞ」
ところでいきなりジョナサンは打点のえらい高いフライングボディープレスを食らっていた。
「何だお前はあああああああああああ!女王なら女王らしくしろお前はあああああああああああああああああああああああああああ!」
「さっそく私に会いに来たと思ったらゴーマのおっさんが嫁と子供連れ?ダーリン私今度こそ子供産みたいんだけど」
現れたのは双子の母親、プラチナブロンドの女王愛人、ミラージュ・デラ・ウィンシュタット・エルネストだった。
「認めてはいるけど割り切った訳じゃないんだけど」
「ええ?だって私もうその気になってんだけど。女王のうなじの匂い嗅ぎたくないの?」
ベタ慣れしたシベリアンハスキーだな。でかい尻尾ブンブンさせてゴールデンレトリバーと睨み合うか。
勘解由小路脳内で、犬耳生やした女王おっぱいと王妃おっぱいが火花を散らしていた。
「ところでゴーマのおっさん。トキさんが来てたわよ。女将には収まりきらない器したお婆さんだったけど、思った以上にヘビーな通商交渉してきて首相のクロムウェルがタジタジになってたわよ。どうやら本気で引退して後進に道を譲るって言ってたわよ」
異様に察しのいい女王の姿があった。
このメンツを一瞥し、おおよそは察していたらしい。
「そのあと観光でもしてるんじゃない?あの人やっぱり獣っぽいから」
「解った。土産物を揃えるのか。ジョナサン。お前ならどうする?」
「いきなり言われても。そうだな。北の大陸だったら蟹だ。東の大陸でハオウグマって手もある。まあ全部アカデミーで買えるが」
「婆さんらしいと言ったところだがトキの性格を考えると違う。後進に道を譲るって言ってたんだな?銀髪おっぱい」
「まあね。ってきゃあ!これあんたの子供?!可愛い三つ子ね!お姉ちゃんでちゅよー。っておっぱい吸われてるし」
紫は中央国家セントラルの女王のドレスをずらしておっぱいに吸い付いていた。
「だとしたら西だな。後進とやら用にとっておきの生き物をゲットする気だ。アースツーにしかいない動物だ」
そこで勘解由小路は後進にふさわしい娘に視線を向けた。
娘はは?って顔をしていた。
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