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どうするのだ。この状況は。
よく考えると全くいつも通りの光景があった。
犬達はそろそろ我を忘れて乱交をおっ始めようとしていた。
「ああん?これは参っちゃったのよさ。おじさん平気なのよさ?」
気がつけば目の前に銀毛九尾の狐少女がいた。
「おかげさまでな。君は?」
「まあ莉里は平気なのよさ。パパは面白半分に状況に乗ってるだけなのよさ。おじさんは流石なのよさ。心配なのは勇者犬とママ達なのよさ。で、まあこうなったら莉里が動くしかないのよさ。三つ子ちゃん達も蛇っぽくなったら困るのよさ。既にちっちゃいベロがチロチロしててあんまり猶予はないのよさ」
「その前に勘解由小路が真琴君に食われるだろうが」
ナマケモノの命は風前の灯だった。
「まあこの状況は、どう考えてもあれなのよさ。トキと莉里が揃うってのは滅多にないのよさ。おじさんが動物になってないってことはやっぱり」
島原とて馬鹿ではない。自身の守りが働いている状況。それが示すのは一つしかない。
だが一つ言いたい。
「神は馬鹿なのか?!ヤハウェも!ニュクスも!弁天も!まともな人格の持ち主は一人もいないのか?!」
「まあ、それが神なのよさ。程度の低いことに心血を注ぎ続けるのよさ。何があっても。どんな邪魔が入ろうとも」
何てどうしょうもないのだこいつ等は。
「莉里も動くのよさ。おじさん力を貸すのよさ」
確かに言動は幼いしやってることはアイドルだとしても。
この娘も勘解由小路なのだ。
忘れそうになっていた。真理に到達し、ついにはハデスになった男の愛娘なのだった。
「莉里には別の肩書きがあるのよさ。冥王、妖精王、英雄王に並ぶもう一つの肩書きが。それは」
それは?
「あまねく御稜威の如き楽園郷。全ての生きとし生ける者の武陵桃源。莉里は、莉里のモフモフキングダムの絶対君主なのよさ」
やっぱり馬鹿の娘だ。
島原は現実を思い出した。
「傾世元禳がなくたって莉里は周囲の存在を魅了出来るのよさ。兄ちゃんはエロが足りないのよさ」
十分如何わしい義息ではないか。
「それで、どうするというのか」
「みんなを呼ぶのよさ。ホーイホーイ!」
その時、ジャングルが震撼した。
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