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第1話
誰にでも『人生初』ってあると思う。
そーゆーのってすごくドキドキするし、だからこそ落ち着いてなきゃいけないし、じっくり時間をかけて、せっかくだからできればその後の余韻も充分に味わっておきたい感じ。
僕の場合は、それがちょっぴりしちゃいけないことだったから、一人でいられる空間ってゆーのがさらに必須項目で、だから選んだのが自分の部屋。
誰も来ない、僕だけのプライベートな場所。
でもそんな安心感とちょっとした油断が、命取りになる。
「渚、いるかー?お隣さんが挨拶……し、に……」
「……あ」
「ああああああぁぁぁ!兄ちゃんのかわいい渚がああああぁぁぁぁーっ」
たとえば、鍵、かけ忘れたりとか。
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