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ボケモン野郎
ヒロシは、チラッと男性客の操作しているスマホをみた。スマホにはアニメのようなキャラクタが踊っている。ははーん、どうやら男性客はポケモンのゲームに夢中らしい。お堅い印象の身なりととポケモンに夢中になっているところのギャップが少々滑稽だ。
そんなことを思っていたところ、次の駅、浜松町手前で電車が減速しだしたところで、ヒロシは左脇腹に尖った圧力がかかっていることに気が付いた。下横目でみると左隣の男性客の肘が当たっていた。男性客は肘をせり出してスマホのポケモンゲームにのめり込んでいる。
こいう時のヒロシは鈍感だ。
「(まぁ俺も横に広い体型しているからな。)」
と、少し体を縮めるように姿勢を直した。
ほどなくして電車は浜松町駅に到着、暫しの停車後、再び出発した。電車が加速して・・暫くして車両が大きく揺れた。その揺れに合わせて男性客の肘が強めにヒロシのわき腹に喰い込んだ。ヒロシから思わず声が出た。
「痛っ」
しかし、男性客・・ポケモン野郎はゲームに夢中で気がついていないようだった。
その後、電車が揺れる度に、ポケモン野郎の肘がヒロシの脇腹喰い込むことを繰り返した。鈍感なヒロシもさすがに段々と怒りが込み上げてきた。
「(非常識だろ、でも・・最初に注意すればよかったな、、注意するタイミングを逃した・・。)」
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