0人が本棚に入れています
本棚に追加
睨み合い
なんと!、ポケモン野郎を挟んでヒロシの反対側に座っていたが女性が叫んだのだ。
「いい加減にしてくださいっ! ゲームをやるのは勝手ですけど肘が当たっていますよっ!」
一瞬にして車内がシーンとなり、乗客が一斉に彼女を視た。ヒロシも彼女を視た。女性はビジネスウェアを小奇麗に着こなした20代と思われる。活動的な印象の女性だった。どうやらポケモン野郎はヒロシ側だけではなく両肘を広げてゲームに夢中になっていたようだ。
さすがにポケモン野郎は横から怒鳴られて、ギョッとした表情をしている。ところが「なんだ小娘か」と思ったのだろう。ポケモン野郎はムッとした表情に変わり口を開いた。
「あなたこそ、後から狭い所に座ってきてそんなこと言うなんて失礼じゃないですかっ」
なんとポケモン野郎は開き直った。
今度は乗客が一斉にポケモン野郎を視た。女性も強気で互いに睨み合っている。
最初のコメントを投稿しよう!