バケモノは。

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 机に戻ると彼女のパスタは後少しだった。 「遅かったね」  歯を真っ黒にして笑う彼女に頬が痙攣らないように気をつけ、謝り、カルボナーラを急いで掻き込んだ。  勘定を終え外に出る。夜はすっかりと更け、2月の冷たい風が頬を冷やす。  麻耶と腕を組み駅まで歩く。  俺は徒歩で彼女は電車で帰る。 「まーくんち行きたいなあ」  酔っ払っているのか舌足らずな声で言われたが家に招く訳にはいかない。 「明日大学だから、おやすみ」 「うん……」  トロンとした瞳で麻耶は頷きバイバイと言いながら抱きついてきた。  大きく、柔らかい感触が身体に触れ思わずにやけてしまった。  家に帰るとカナエが居た。  彼女は顔が整っている。化粧も薄く麻耶とは真逆である。  ただ、唯一の欠点は胸が小さいことだ。  顔はカナエで身体は麻耶ならなあ。と何度も思う。 「珈琲飲む?」 「おう」  テレビをつけると今人気のやさぐれ芸人がコントをしていた。  声を立てて笑っているとコトリ、と珈琲が床に置かれた。  珈琲を啜っていると疲れたのが眠気が襲ってきた。  
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