リーザの怒り

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リーザの怒り

 その夜もルナはゲストルームで休んでいた。静まり返った部屋は暖炉の火も消えて、ルナはベッドで一人朝を待つだけだった。  床に敷かれた絨毯で足音を殺して、ベッドに上がりこむ影があった。ルナの首にロープを巻くと、ロープの左右を両手で握った。 「やめて、リーザ」  ルナが、その体に馬乗りになっているリーザに向けて言い放った。 「……なんで起きてるの? 」  リーザは目を見開いてルナを見た。 「睡眠薬は飲んでないわ」  あどけないリーザの顔が、険しく歪むと掴んだロープに力を入れようとした。 ーーーカチンッ  と音がして、ランタンが灯った。ハッとしたリーザが光の方に目を向けた。 「リーザ……」  ランタンを手に声を発したのはウォルカーだった。フィンリーとマティーも現れて、ルナの首に掛かるロープをリーザから取り上げ外した。 「リーザがホテルに火を付けたのか? 」  ウォルカーが悲しげに問いかけると、リーザは目に怒りを滲ませた肩を震わせた。ウォルカーがその腕を捉えようとすると、リーザは強く跳ね除けた。 「なんでみんな私を除け者にするの!! 」  そう叫ぶと、獣のようにリーザは喚いた。頭を掻き乱しながらベッドを降りると窓開けると、窓から冷たく強い風が吹き込んだ。  マティーとウォルカーがリーザに駆け寄ると、リーザはナイフを振り回して窓から身を乗り出した。 「ダメよ! 」と、マティーがリーザの服を掴むと、二人は#縺__もつ__#れながら窓の下に落下した。
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