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優ちゃんの願いだった
〝絶対に幸せになって欲しい…。
毎日、笑顔でいて欲しい。
一年後には…心から笑っていて…〟
幸せになれるかどうかは分からない。
毎日は…、まだ笑顔でいるのは難しい。
でも、一年後
私は心から笑うことが出来ている。
優ちゃんもどこかで
笑っていてくれたら…、嬉しい。
『ねぇねぇ、里桜。
梗先輩に会うの久しぶりだね?
もう、研修医だもんね〜。白衣姿…
カッコいいだろうなぁ…』
梗先輩は2月に
国家試験があり余裕で合格していた。
『ふふっ、そうだね?』
『里桜の病院にも研修医っているの?』
『うん!もちろん、いるよ?』
『え〜っ?いいなぁ、梗先輩も里桜の病院だったら良かったのにね?』
『ふふっ、梗先輩はきっとすごく優秀だと
思うから、大学病院で離さないと思うけど…』
『えっ、何それ。自由に決められないの?』
『う〜ん、良く分からないけど…
何となくそんな気がする。でも、梗先輩は
自由に決めちゃいそうだね…?』
二人で話しているうちに
新幹線は到着して、ユミの家に向かう。
ユミとアツキさんのマンションに
着いて、ユミが鍵を開けると
『あれっ?』
私の顔を見た。
『んっ?どうしたの?』
『いや、これ…。』
ユミの視線を追うと
玄関に男性用の革靴が無造作に
脱いだままの状態であった。
ユミと目を合わせる
ユミは首を傾げながら中へ入って行ったーー。
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