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元カレと同中
明里のことは何も考えれないまま、学校が終わった。
「明里、ごめん。まだ何も考えれてないの」
私が謝ると明里は、
「全然いいよー! こっちこそ、いきなりこんなこと言ってごめんね!」
・・・本当にいい子!
「明里、大好き~」
私は、そう言って明里に飛び付く。
・・・なんてことは、もちろんしない。
さあさあ、帰ろうじゃないか。
そう思って、カバンを掴んだとき、
「キャー!」
「何あの人! カッコいい~!」
そうやって、騒ぐ声が聞こえてきた。
会話からして、皆がカッコいいと思う人が今、学校に居るんだろう。
どんなやつかなぁ? と思って、窓を除く・・・
「麗~!!」
「ゴフッ!」
・・・ことはできなかった。
「ちょっと、いきなり飛び付かないでよ・・・。どうしたのさ、明里」
明里が、突然私に飛び付いてきたから。
「今皆が騒いでる男、朝に言った、元カレなんだけど!」
「・・・ん?」
私は、笑顔のまま固まった。ガクガクと明里に揺らされる。
やめてっ、首がもげそうっ!
「ど、どうしよう?」
ど、どうしようって、スルーしちゃえば・・・。
「あのクソ野郎、私の名前を叫んでやがるんだよ!」
「よし、私が潰してやるよ」
ポキポキと指をならしながら言う。
「れ、麗、笑顔が怖い・・・! あと、指、ならすことできたんだ?」
・・・どうでもいいー!!
「それより明里、どうするの?」
とりあえず、私がそいつの所に行こっか。
「うーん、元カレと、一応ちゃんと話したいんだよね。つ、ついてきてくれる・・・?」
か、可愛いっ!
「もちろんだよ!」
当たり前であります! ついていかないやつがおかしいです!
って、私ってこんなに明里のこと好きだったっけ? 自分で言うのもおかしいけど、愛が凄い・・・。明里に知られたら、引かれるわー。悲しいわー。
「さ、さあ、元カレの所に行こう!」
「あれ、麗? なんでそんなに汗かいてるの?」
ギクッ!
明里に引かれるようなことを考えていたから、なんて言えません!
「あ、もしかして、緊張してる? ごめんね!」
あ、ナイスアイデア!
って、嘘ついてごめんなさい・・・。
「そ、そうなの~。でも、私が会うって決めたんだし、謝る必要は全く無いよ!」
「ありがと~!」
はぁ。
こんな幸せな日常が、ずっと続きますように・・・!
ーーーーー
ということで今、私は明里と元カレと一緒にいます。
その元カレが、ヤバイです。
何がヤバイかって?
それはね・・・。
こいつ、中学が一緒なんですけどーー!!
え、ヤバくない? 私、バレてないよね?
って、何を考えているの!
私は、過去を振り返らない女!
大丈夫・・・
「なんかさぁ、君、見たことある気がするんだよねぇ。中学校に、いたっけ?」
・・・だ、大丈夫なのか!?
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