3・『お祖母ちゃんとアニメ』

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ジジ・ラモローゾ:005 『図書カード』     お祖母ちゃんに図書館に連れて行ってもらう。  田舎の図書館だけど、学校の図書室よりも充実している。 「うわー、ここが図書館!?」  ぶったまげた。地上五階建て、地下駐車場とかもあって大規模!  でも、入ってみて分かった。  図書館は建物の一階と二階、それも東側半分。  それでも、学校の図書室の三倍近くはある。 「図書カードを作ろう」  お祖母ちゃんに付き添ってもらってカウンターに、眼鏡で委員長タイプの司書さんに「図書カードを作りたいんですけど」と申し出る。 「これに必要事項を記入して提出してください、問題が無ければ十分ほどでお作りします」 「はい、分かりました」  学校ではあり得ないくらいのいい返事して、カウンターの端っこに移動して記入する。  屯倉慈娘 16歳 ○○県○○市 大字○○1-2-3  他に電話番号と携帯番号、スマホは持ってないのでシージのパソコンのアドレスを書いておしまい。  書き上げて持っていくと、若い男の人と替わっていた。きっと交代時間だったんだ。 「えと……みやけじろうさん?」  ルビを忘れていた。  あたしの名前は初見では読めない。ひどい人になると『とんそうじむすめ』と読んだりする。苗字を正確に『みやけ』と発音しただけ上等。 「みやけじじって読みます」 「みやけじじ様、ありがとうございます」  男の人は、きちんとルビを振ってくれて「これでよろしいでしょうか?」と確認してから端末のキーをカチャカチャ押して、端末がウィーーンて音がすると、きちんと両手に持って渡してくれた。  きっと、この人はファミレスとかコンビニとかでバイトしたことがあるんだ。対応が慇懃だ。  あたしは、慇懃は、あんまり好きでなかったりする。  でも、慇懃には、きちんと慇懃で返す。 「ありがとうございました」  お祖母ちゃんが、横で本の予約をしている。 「この本は入らないと思います」  司書さんに指摘されてる。 「え『エロマンガ先生』だめなの? 『エロ事師』は借りれたわよ?」 「申し訳ありません、ライトノベルは置いてないんです」 「まあ、そう。ざ~んねん」  お祖母ちゃんの声が大きいので、付近にいた人たちが注目している。  注目には二つの意味がある。  一つは『エロ』って殺傷能力の強い言葉。『エロ事師』は知らないけど『エロマンガ先生』は引きこもりの妹を血の繋がらないお兄ちゃんが健気に支えていくってお話で、あたしも好きだ。  もう一つは、多分お祖母ちゃんのルックス。  背が高くて色白のお祖母ちゃんは、ちょっと目には外人さん。  じっさい、1/2フランス人。ジージも1/2フランス人。  それがエロエロ~って口にするもんだからね。  孫のあたしのフランス人率は1/16くらい……だと思うよね。  それがジジババと同じ1/2だったりするから、話は面白い。  
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