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光アフレル繁華街
今日も人が多かったが、その中をぬうように進む美しい影があった。
上はかわいらしい蝶の柄が入ったパーカーにフリフリのここにも蝶の飾りのスカートをはいて足は、ニーハイソックスにブーツ。
誰もが、見惚れるほどの美しさなのに、
まわりの人は、見向きもせず通りすぎていく
その人が見えていないかのように見える。
その美人はふと足を止めると、路地裏にスッと入っていった。あとをついていくと、その美人はそこで、柄の悪い人と戦っていた。よく見るといかにも気の弱そうな青年がいた。殴られたあとがあるため、大方殴られている最中に、美人さんが助けたのだろう。
美人さんの動く姿を見て、我もまわりのやつらも、戦っていることも忘れ、見惚れてしまった。
それはまるで、ひらひらと舞うように相手を惑わすように攻撃を避け、急所を確実に狙っていた。まさに一撃必殺だった。
美人さんを例えるなら、
─蝶々のようだと・・・思った─
見惚れているうちに、美人さんはそこにいた人たちをあっという間に倒してしまった。
終わると、美人さんが呆けている青年に尋ねた。
「大丈夫?」
鈴を転がすような、それでいて力強い声だった。
聞かれた青年は、慌てて答えた。
「は、はい!あの、ありがとうございました。」
青年は、立ち上がり頭を勢いよく下げようとして、ふらついてしまった。それを美人さんが、支える。
「それだけ話せるなら大丈夫そうね。」
そういって美人さんが、支える手を話その場を去ろうとした。
「まっ待ってください!」
青年の声に美人さんが振り替える。
「また、会えますか?」
その言葉に美人さんが驚く。そしてフッと笑った。
「そうだなぁ…また貴方が会いたいと思い続けていれば、会えるんじゃないかな?」
美人さんは、そういってくれた。
「次に会うときまでに、強くなって私を…」
そこで美人さんは、言葉を止めた。そして、
「見つけてみなさい!」
美人さんは、そういって今度こそ、去っていった。
青年は、見えなくなっても、その人が去っていった方を見続けていた。
また会える日を夢見て…………………
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