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瑞希はレインボーブリッジを渡り、横浜方面へ向かった。
プロデューサーの松尾さんが教えてくれたインスタ映えポイントでポルシェを止めた。瑞希はバックミラーで、前髪を整えてから車をゆっくり降りた。
埠頭から見える船の照明と海の水面が織り成すコントラストは、最高の映えである。
数枚写真を撮り、波打ち際のベンチに座って写真を確認している時にそれは起きた。
後ろから羽交い締めにされ、頭に分厚い布袋を被された。そして埠頭近くの倉庫に担ぎ込まれたようだ。
(真っ暗で何も見えない)
瑞希の周りに4、5人の男が居るのが声や足音で分かった。
暫くすると、ハスキー声の中年らしき男が瑞希に話しかけてきた。
「お嬢さん、スマホで写真を撮っていたよね。何を撮っていたか教えてくれないか?」
こんな状態で拒絶することは相手を刺激しかねないので、すんなり答えた。
「インスタ映えするスポットを撮っていました」
男達は、クスクス笑って、何かを相談しだした。数分後、もうひとりの若い声の男が質問してきた。
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