REUNION

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「雄輝くんほんとうまーい!声低くていいね!」 「こんなに上手いなら早く言ってよ! ねぇ、次のこれ歌って欲しいな〜!」 死ぬほど疲れている中構わず女の子は次のリクエストをしてくる。正直もう歌いたくない。 ちらっと顔を上げると神崎が部屋から出ていくのが見えた。 トイレかな、と思ったけど10分すぎても帰ってこない。 『貴人、ちょっと外行くわ。』 「うーっす!」 もう夜中の2時過ぎているからもし外だとしたら人通りは少ない。 女の子一人で外に立ってなんかいたら狙われるに決まっている。 カラオケの外をちらっと見ると神崎の後ろ姿が見えた。 『神崎ってひとりが好きなの?』 急に声をかけてしまったせいか少しビクッと肩を揺らして神崎が振り返る。 「あれ?秋山!?」 『深夜2時に1人で外は危険。カラオケだってまだ人いるし声かけられたらどーすんの。』 わざとらしくため息をついてみせた。 「秋山歌わなくていいの?まだ全然歌ってないんじゃない?」 『俺あんまりカラオケ来ても歌うほうじゃないから。むしろ聞く方が好き。』 「あれだけ上手かったらみんな歌って欲しいと思うよ。」 『俺そんなに上手くないよ。貴人の方が上手。それより神崎1人で出ていくし帰ってこないし、さすがに放っておけないでしょ。』 それより気になることがあった。 さっきの神崎の言葉。 【離さなくていい。】 俺も少し酔ってるのかいつもなら勇気を出さないけど、あの言葉の本心を知りたくなった。 「……少し歩く?」 少し笑って神崎に向けて手を差し出した。 「……え?」 『さっき、離さないでいい。って言ったのは酔ってたから?』 その瞬間また神崎の顔が赤く染まる。 「……え?だって、え?」 この反応を見たらいいのかな?って思ってしまう。 『ほら、ちょっと酔い覚まそ。 俺も歌って歌って言われるのちょっと疲れたから外で居たいし。』 なかなか動かない神崎の手を引いて俺は外に歩き出した。
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