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とあるBarにて
とあるAuthentic Bar。
熟達したバーテンダーが確かな技術でカクテルを作ってくれるのが魅力であり、重厚な扉の向こう側に大人の空間が広がる。
「マスター…今日はシングルの気分なんだ…お願いできるかい?」
「畏まりました…」
程好く冷やされたロックグラスに少し小さめのランプ・オブ・アイスが´カランッ´と神秘的な音を響かせる。
1オンス分のウイスキーがグラスに注がれると、辺りは瞬く間に豊潤な香りで包まれ始めていった。
「お待たせ致しました…シングルモルト マッカラン12年でございます」
「あぁ、ありがとうマスター」
赤髪の男性はグラスを手に持つと、まるで口付けを交わすかのようにグラスの縁に優しく唇を当てる。
「今日はお越しにならないようですね…」
「……誰か来るのかい?」
「えぇ、いつもこの時間になると必ず…お客様も御存知な方ですよ」
「ん?…ああ、あの金髪女性のことか…」
「残念ですね。今夜、お客様の話をお聞きできないと思うと…」
「聞いてたのか…」
「申し訳ございません。職業柄、何でも耳に入れたがる性分で…」
「聞くかい?マスター?」
「宜しいのですか?」
「あぁ…なら今夜は、あの「写真」の事についてでも話してみるとするか………」
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