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 二人の会話に明鈴がプッと吹き出し、女性グループにもその笑いが伝染していく。さっきまで緊迫していた空気がゆるゆると解け、やわらかく温かい空気が広がっていくようだった。 「じゃあさ、俺達は用事があるから、彼女の案内頼めないかな?」  高梨の提案に女性達が大きく頷き、さっそく「どっちのファン?」「ライブ初めて?」と、いかにもファンらしい会話が交わされていく。 「明鈴ちゃん、じゃあ俺たちはこれで」 「はい。あ、あの、お二人の漫才はどうすれば観れますか?」  明鈴の言葉に、その場にいた女性達も「芸人さんなの?」と、二人に視線を向けてくる。 「養成所のホームページ、は見れないか」 「大丈夫。読み上げ機能使えば読めます」 「あー、なるほど。じゃあ、養成所のホームページ見てもらえれば、ライブの日程とか乗ってるから」 「で、でもっ、今まだ、出れてないからね?」 「ふふ。初舞台、決まったら絶対に行きますね。だって公認のファン第一号だから」  高梨は、次こそは明鈴のためにも絶対に、ライブの出場権を勝ち取ると強く決意する。それは、梨郷も同じだった。  偶然がもたらした目の見えない明鈴との出会いが、この先の二人の運命を大きく変えることになるとは、この時の二人には知る由もなかった。
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