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「そ、それで? ぼくたちは、どうするの?」  高梨は入場口に向かって歩きだすが、中に入るためのチケットはない。 「さっき、受付スタッフにお願いしといた。後輩の梨郷と高梨が来てるって、二人に伝えてほしいって」 「えっ! そ、そんなので、大丈夫?」 「すげぇ怪しまれたよ。だから生徒証と、今持ってる身分証明証ぜんぶ出した。そしたら、一応伝えてくれるって」  来ていると伝えてほしいと言っただけで、高梨は会わせてほしいとは言わなかった。授業がある時間に二人揃って名古屋まで来ているという事実だけで、中島と雨野が気持ちを汲んでくれると思ったからだ。  入場口につくと、先ほど伝言を頼んだスタッフが、高梨に軽く会釈をしてきた。 「あ、さっきは無理を言ってすみませんでした」 「いいえ。お伝えしたところ、控え室に来てほしいとのことだったので、ご案内させて頂きますね」  高梨は思わず小さくガッツポーズを決め、どうだ? とばかりに梨郷を振り返る。 「す、すごいね?」 「だろ? 俺の交渉術、使えるだろ?」  
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