飛鳥文化アタック

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飛鳥文化アタック

前回のあらすじっ! 性別不明年齢不詳1〜100歳もしくは101〜2000歳程度、身長普通、男もしくは女の神様、ミサギは異世界の神に招かれ、第三新世界を訪れる。 しかしそこで謎の敵であるイセカイ=テンセイが出現。ミサギは特務自営業YouTuberだと明かし乗り越えようとするも空振りに終わる。 全てのムービーをスキップし異世界の神がラスボスであると気付いた(事前情報あり)ミサギは、謙虚、謙遜、気遣い、ジャパニーズトラディショナルを用いて攻撃を加えるも異世界の神のおだて上げ、押し付け、知ったかぶり、自分ルールの猛攻の前に力尽き、激戦の果てに敗北した。 異世界に行くことを余儀なくされた悲劇の主人公ミサギさんは、異世界転移するなり燃える戦艦スポーンと貰ったスマホが圏外という悪意の前に屈せず、夕刊も朝刊も乗るような勇敢さで船に乗り込み乗客の救護にあたっていた。 その途中、悲鳴が聞こえ急いで向かうといつものがあった。はいテンプレテンプレ。 ってのどうでもいいんだよ!こちとら遊びじゃないの、仕事よ仕事、さっさと世界も少女も救ってやんよー。 白い船内に滴る真っ赤な血の跡。 エイリアンが持っていそうな流線型のフォルムの銃とライトセーバーみたいなものを持ち二人を囲む男たち。ジェダイだろオマエ!スターウォーズにお帰りっっ!! 4人の男は体全身をアーマーで固めているにもかかわらず何故か頭には装備はつけられていなかった。 頭隠さず尻も隠さず。 情けないことに壁に追い詰めているのは何の武器も持たない少女二人。 胸元が大きく開いたファンタジーなイカれた服装をした少女二人はサイレンのように絶え間なく悲鳴をあげていた。 五月蝿え!! 追い詰められる少女、囲むモブ男。 画面が、「いつもの」で埋め尽くされたところこんにちは。 「飛鳥文化アタッックッ!!!!!」 「ひでぶっ!?」 問答無用、最強の奇襲攻撃飛鳥文化アタックによりジェダイくんが吹き飛ばされ一抜けたした。 「なんだ貴様ァ!!」 「鬼は外スプラッシュ!!!!!」 「ぎゃぁぁぁぁ!!!!!」 何かなんだ貴様とか、言ってる暇あるなら手元に持ってるいかつい銃一発でも撃てや、飾りか?ん?って感じの筋肉マッチョ、Mrブラウンくん(仮)に目潰し攻撃を加える。 あっ、シュタゲ面白いですよね! 僕もゲーム実況者としてRTAはよくやるのですが、もしゲーム世界の登場キャラに憑依転生するとしても、おかりんだけはマジ勘弁です^ ^; 余談は置いといて、鬼は外スプラッシュ……節分用の豆を無差別にばら撒く凶悪な技で早くも二人目を撃破した俺を止めることは出来ない。 「こいつらを倒してしまっても構わんのだろう?」 悲鳴を止め期待した目でこちらをみる少女たちに問いかける。 声にはあげなかったが、頭を縦に激しく振るい同意した。 もしかして、デスメタル経験とかありますか? 二人がやられたとあって警戒して普通に睨み合いになると思ったのもつかの間、細身の男が何故か銃を投げ捨て腰から引き抜いたライトセーバーらしき物体で攻撃してくる。俺はそれを見ながら鼻で笑う。避けることが出来ると言われも根拠もない無駄な自信があったのだ。 初見の敵なので相手の攻撃の軌道は不明だけど、なんとかなるっしょ! これが異世界の神が無理矢理おしつけた身体能力の向上の効果か。 クックック、この力さえあれば無敵だ、僕は新世界で再び神になる!!!! 相手はライトセーバーっぽいのを振りかぶり横に薙ぎ払う。マトリックスばりのイナバウワーを見せつけてそれをコンマ1センチで回避、バク転の勢いで足に力を込め相手の手を上に蹴り上げる。手から離れたライトセーバーを掴んで相手の心臓を貫いた…………所までイメージした俺は身体能力の向上という力の真価に気づいた。 うーわっー!こーいーつー遅ーいーー!うーーわ〜ぁ〜ーーすーろーーーもーしーょーんーーにーみーえーるーぅーぞーー…… 周りが遅くなった。見える相手の動きが、しかし俺も遅くなった。 イメージした軌道とは違いふつうに振り下ろしてきた敵の攻撃にもろ当たってしまった。 「グハッ……」 「いきなり出てきて邪魔しやがって……!!」 悪態を吐くジェダイ次郎。 「くっ……殺せ」 身体にひとすじの傷を負った俺は床に尻餅をしてそう言った。 言ってみたかっただけ。 「ふん、貴様は後回しだ。さっさとこの二人を片付けるぞ」 死亡フラグをはいたからか、初撃でやられた俺をみて絶望的な顔をした二人にゲス顔(色眼鏡)を浮かべた二人がにじり寄って行く。 「野獣心眼刀・刺利欠(ヤジュウシンガントウ・シリケツ)」 敵を前にして背中を向けるなど愚の骨頂! 人差し指と中指で手刀を作った俺は何事もなかった化のように立ち上がり尻を向けるジェダイ次郎を突き上げた。 「あ"ッ!!ぁぁぁぁあぁぁぁぁああああ!!!!!?!?」 武の境地が柳生だとすれば、腐の境地とされる野獣流。この数十年で爆発的に広まったポピュラーな剣術でありながらその凡用性は止まることをしらない。 研ぎ澄まされた 剣すじ から伸びた透明な刃は鎧の上から尻を貫きまた一人、人を(社会的に)抹殺した。 残りは一人。だが、いつのまにか二人の少女によりボコされていたのでそこはカットで。 俺とこの少女二人に接点を作るために生まれてきた4人組に早速退場して貰った所で、行動に移す。 こちらを無言でみる二人の少女を見て俺は懐からお金を取り出す。 「はい、お金」 「いやです……」 少女の片割れが身を抱き寄せ拒否する。 あっ……そっかー。 スマホRTAの先人様は「それワイが買うンゴよー!」って言ってたんだっけ。 助けていきなりお金渡したら売春みたいになっちゃう所だった危ない危ない。 「た、たすけてくれたことは、その……感謝する」 「ありが……とうございます……」 青髪の少女がツンデレヒロインみたいなことを言ってきた。 生のツンデレ、養殖物じゃないツンデレ!!!!!しゅごい!はあぁん!あっーー!(絶頂) しかも美人。いや、可愛い!容姿は大事。 もう一人は茶髪で普通な顔、可愛いといえば可愛いけどマスコット的な可愛さだと思う。いや、ぽっちゃりとかじゃなくてスタイルは痩せてるけど、自分の好みじゃないというか。 「お前中々可愛いじゃねえか……」 「はっ、はぁ!?」 天然モノのツンデレさんに興奮して顎くいっとしてそんな歯の浮くようなセリフを言ってしまったが、想定通りというか、期待通りの返事に心が踊る。 これがテンプレ異世界転移転生系主人公サマならこの後、自己紹介して適当に動物を惨殺して殺戮欲求を満たしたあとベッドでインして俺の嫁になるってのに、今の体は女だからなぁぁ……。 軽く説明しておくと、神って言うのはみんなが"そうである"と信じる姿や性格になりやすい。 普通の神なら信者や伝説、神話でイメージされるモノが神の姿を作っているが、俺みたいな信仰のない神は大概が幽霊の親戚程度のぼんやりした人影程度だが、YouTubeを通して新しい方法で信者を作っていた俺は、視聴者の"ミサギさんが美少女であって欲しい"という欲に濡れた望みのおかげで、何処からどう見ても女の子になってしまった!! ちなみにソシャゲのせいで地球の神界は何処行っても大概、美少女女神様しかいなくなってるゾ。死ぬなら今がオススメだよっ☆ 七福神1番のデブの恵比寿様がスレンダー黒髪少女になっていたのは爆笑したわ。笑いすぎて恵比寿様にキレられたけど、今思い出すだけでも笑える。 百合はありだとは思うんだけど、あくまで美少女と美少女の絡みを第三者視点でみるのがいいのであって自分が百合百合するのはちょっと……。 茶髪の子はまあ、居合わせちゃったし、たすけてあげるけど、青髪の子はキープで。 「あとで君ともーっとおはなししたいなぁ……(ねっとり)」 「シュナ様は、婚約者がいるのです……それくらいにして……ください」 だ、そうです。あとで君ともーっとおはなししたいなぁ……NTR(ねとり) いやいや、こんなことをしている場合じゃなかった。 「そういえば、君たちはこの船から脱出しなくてはいいの?」 「そうですね……シュナ様、急ぎましょう」 「あっ!?」 ブルーガールお前もか。 気まぐれで船内に残された人を助けようと思ったけど、もう色々満足したし二人を連れて外に出よう。 いつのまにか船内にあった生命反応がなくなってるし、死んだか脱出したんだろう。 彼らは最後まで船に残り職務を全うしたのだ。素晴らしい。 てなわけで帰りましょう。 「帰り道、わかるかな?」 「は?アンタ馬鹿にしてるわけ?」 「いや、俺がわかんなくなった」 「は?はははは!!えっ、嘘でしょ!」 「マジマジ、マジで忘れた」 真面目のマジンガーゼットよ 「えー!アンタ馬鹿すぎっ!はははは!!」 「そんな笑うところか?」 「ははははははは」 「ふっ……ふふふ……」 「何笑ってんだよー」 そんな会話を交わしながら階段を下る。 茶髪の子はどうやら青髪の子のお付きの人的な感じがする。 さっきも、『お嬢様、ここは私が』とか言って前を歩いているし。 そうだ、せっかくだし自己紹介でもしよう。そしたら仲良くなれたりして…… 「ねえ、自己紹介しない?」 「えっ、ヤダ」 「えー…………」 いきなり却下されたんですが、これは……(笑)
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