9人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
櫻君の目は、血の様な赤色をしている。
その目で射貫くように見つめられると、恐怖でその場から動けなくなる。
決して睨むのではない。
じっと無表情で私の様子を伺っている。
櫻君は最近少し暴れん坊。
今日だってどこからか集めてきた本をボロボロになるまで破り捨てていた。
私のお気に入りの服なんて、いつの間にか泥まみれになっている。
でも私は知っている。
彼がどういう気持ちでここにいるかを。
どうして、私を困らせるような事をするのかを。
最初のコメントを投稿しよう!