第5章「最上階より、愛を込めて」

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それは、鷹騰社長との付き合いがスタートして、三ヶ月余りが過ぎた頃だった──。 お風呂から上がって自分の部屋でくつろいでいると、ふいに携帯が着信音を鳴らした。 聞き慣れたその音に、一瞬びくっとする。 間違えようもない()のために設定した特別な着信音に、まさかと思いながら画面を覗くと、そこには…… 「川浪 春樹」の名前が表示されていた。 「春樹……」今になってなんだろうと感じる。 しばらく電話に出るのをためらったけれど、なかなか切れずにいるのに、何か話があるんだろうかと通話ボタンをタップした。 「……舞か?」 スピーカーから懐かしくも感じられる声が響く。 「うん……。どうしたの、春樹……何か、話があるの?」 かつての駅でのシーンが蘇り、歯切れが悪くなる私に、 「……元気にしてるか? おまえ…」 どこか優しげな声が返る。 「してるよ……」 答えると、喉元を切ないような思いがにわかに駆け上がった……。
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