第5章「最上階より、愛を込めて」

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「春樹は……? 彼女は、どうしたの?」 復縁の話ではないんだとすると、あの時に一緒にいた女性はどうなったんだろうとふと気になった。 「ああ、彼女とはもう……もともとおまえと上手く行かなくなったタイミングが重なって、成り行きで付き合ったような感じだったしな…」 「そうなんだ……」頷くと、 「あんな当て付けみたいなことして、本当にすまなかったな…」と、頭が下げられた。 「ううん、いいよ……もう気にしてないから、そんな謝らないで」 「ああ……」と、顔を上げて、ひと息をつくと、 「……俺、海外(アメリカ)に赴任することになったんだ」 と、彼が告げた──。
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