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「春樹は……? 彼女は、どうしたの?」
復縁の話ではないんだとすると、あの時に一緒にいた女性はどうなったんだろうとふと気になった。
「ああ、彼女とはもう……もともとおまえと上手く行かなくなったタイミングが重なって、成り行きで付き合ったような感じだったしな…」
「そうなんだ……」頷くと、
「あんな当て付けみたいなことして、本当にすまなかったな…」と、頭が下げられた。
「ううん、いいよ……もう気にしてないから、そんな謝らないで」
「ああ……」と、顔を上げて、ひと息をつくと、
「……俺、海外に赴任することになったんだ」
と、彼が告げた──。
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