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──マンションに着くと、エントランスに通じる階段に立って既に彼が待っていた。
部屋に行くんじゃなかったんだと思っていると、階段を駆け下りてきた彼に、
「舞、こっちだ」いきなりぎゅっと腰が抱き寄せられた。
「ひぁ…っ」不意討ちで腰が捕まれて、びくりとする。
「ふっ…くく。なに変な声出してんだよ?」
「……そっちのせいでしょうーって、あっ…ん」
片手でぐいと顎が引かれて、そのままチュッと口づけられる。
「いろいろしたくなるのは、おまえが可愛いせいだろ」
「…も…やん」
「そんな可愛い声出すと、またキスするからな」
彼が耳元で囁くすぐそばをマンションの住人が通り過ぎて、
「…もう、ダメだってば…」
と、真っ赤になって開襟の胸元を両手で押し返した。
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