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──カウンターに隣り合って座りマティーニを飲む。
「やっぱりマスターの作るカクテルが、一番うまい。おまえもそう思うだろ?」
「うん、こんなにおいしいのは、飲んだことがないかも」
「ああ、本当においしいよ。マスター」
彼にそう声をかけられて、マスターが「ありがとうございます」と、軽く頭を垂れる。
「そうだ、今日はおまえも何か飲めよ」
「はい、ではご相伴にあずからせていただきます」と、マスターが再び頭を下げて、
「……社長は、いつも連れて来られるいろいろな女性にドライマティーニを薦められていましたが、いっしょに飲まれたのは舞様が初めてですね……」
作った水割りを含むと、そんなことをポロッと口に出した。
「おいこら美澄、余計なこと言うなって…」
動揺しているのかマスターを名字で呼んで、彼がにわかに照れた顔つきになる。
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