賭博破滅録アズマ

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 その日の出来事は瞬く間に大学内に広まり、俺は周囲から“ダブロン漏らし”と呼ばれるようになったのは言うまでもない。  なんという屈辱っ……! 生き恥っ……! あの時(ハク)さえ……(ハク)さえ捨てなければ……。  っていかんいかん。今は講義中だ。麻雀のことは忘れて講義に集中しろ。  雑念を振り払い、ノートにペンを走らせていると、コツンと肘に何か当たり、机の外へと落ちていった。  俺は体勢を低くし、それを拾い上げた。瞬間、 ざわ  俺はフリーズした。
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