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☆
水とはルームメイトで1年からの付き合いである。僕は最初、大分荒れていたが今はなんとかなっている。
「じゃあ五貴、俺は作業しに行ってくる」
「んー」
さて、今日はなにを作ろうか。サッパリしたものの方がいいよなぁ。そう思い学園の食材売り場へと向かう。さっぱりといえば和食だよな、そう断定した僕は魚コーナーへ向かった。
もろもろ買い物が終わると結構な量があった。
(これは当分自炊かな)
部屋に戻るとそこはとても静かだった。作業の邪魔にならないようなるべく音を出さないようにする。
キッチンに立ち、食べやすいよう下処理を進めサラダと汁も用意し、魚を焼きレモンと蜂蜜を加え、甘くてさっぱりな仕上がりにした。
時計をみるとまだ夕飯まで時間があったので買った材料でタルトを作ることにした。中身はレアチーズにしておこう。
作り終わったころ部屋は香ばしい匂いで溢れていた。もうすぐ夕食の時間になるため換気を行った。すっきりとした気分になると僕は水を呼びに行った。
“コンッコンッ”
扉をノックする。
「水?食べれる?」
声を扉越しにかけると中から扉が開かれた。
「うん、ありがとう」
そう言いながら水は少し疲れたように笑った。
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