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生徒会室の前まで来てみれば毎度感じるこの空気の重さ。
生徒代表というのはこの学園では軽いものではない。ほとんどのことが生徒会、風紀委員頼みだ。
生徒会役員は毎回 “抱きたい男” 、“ 抱かれたい男” ランキングで決められる。
たとえば今の会長は抱かれたい男1位で、副会長は抱きたい男1位のため、生徒会に選ばれた。
そんな男たちと今から僕らは対面することになるのだが、本音を言えばはやく終わってほしい。なぜなら彼らは美形だが僕が求めるロマンを持ち合わせていないからだ。
扉をノッして中から応答があるのを待つ。
「入れ」
そう言われ扉をひらき、中へ入ると目の前には生徒会長の “奏道院藍人”が椅子に座り、こちらの様子を伺っていた。
「2年B組の副学級長佐々野五貴です。この前行われたアンケートの紙を持ってきました」
「珍しいな」
「学級長は今日用事があるようなので」
「確かに受け取った、だがなぜここに海原までいるんだ。お前はA組だろう」
終わると思ったら水のことに触れられた。
「そうだけどこんなむさ苦しい男たちの中に1人でなんて行かせられないからね」と水がいうと、
「あぁ?どこがむさ苦しいんだ、おまえんとこの部員よりはいいだろ」
「確かにそれはそうかもね」
失笑しながら水がこたえた。
「じゃ、用事も終わったことだし行くぞ」
水が僕を挟んで後ろから扉を開ける。
そのとき、水が会長により呼び止められた。
「明日はA組に転校生がくる、振る舞いには気をつけろ」
会長はそう忠告をしたが水を見れば苦々しい顔をしていた。
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