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小・中・高一貫、エスカレーター制で全寮制の当校はいわゆる金持ち坊ちゃんたちが集うことから犯罪防止のためか、女禁制になっている。
そのため、思春期全てを男だけの空間で過ごすものだから恋愛対象が男というもの珍しくはなく当たり前のように存在した。
そんな独特な環境だからなのか “親衛隊” いわゆるファンクラブみたいなものも存在し、その親衛隊は親衛対象になにかが起こると親衛隊も動くため、問題に上がるのは親衛隊がほとんどと周知されている。
問題が起きるたび風紀委員が駆け付けるため風紀委員に親衛隊をつくることができない決まりが出来た。
だから風紀委員長を追うこの集団は“非公式風紀委員長親衛隊”となり、その親衛隊に僕は所属している。
早朝に起き、仕事のためはやく登校する風紀委員長を一目見ようと親衛隊は向かう。
風紀委員長が去ると皆自分の世界に入るというのが恒例だ。
それが終わると各々自分のルーティンに従う。その中で1番多いのは朝食のため食堂に向かうことである。
食堂へ移動する流れに僕ものり、鈴兎と共に食堂へと向かう。
空いている席へ座り、タッチパネルを操作し“和食”を押す。
前に座る鈴兎の手元を見るとクロワッサンを注文したことがわかった。
自分の内ポケットを探り、カードキーを取り出してスキャンをし、会計を済ませた。
このカードキーはこの学園独特のもので、学生証でもあり部屋の鍵でもあり財布でもある。
もし、これをなくしたら学園で生活はできないだろう。それほど大事なものだ。
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