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“キーンコーンカーンコーン”
4時限目終わりのチャイムが鳴り響く。
教科担任がそれを聞き学級長へ目をやるとすぐさま 「起立、礼」 と合図をする。
それぞれが動き出したころにスマホを開くとひとつ、着信がきていた。それを確認し、着物を着たたぬきが手を上にあげ丸を描いているスタンプを送ると僕はすぐさま昼の用意をする。
弁当など気分が乗らなければ作らないため、売店で買ってから中庭で食べることがここ1年の流れだ。
鞄を持ち売店に行くと、いつもより人が少ないのは副会長が食堂で食べるからだろう。
先程の着信主を見つけるとあちらも気付いたようで進行方向を変え、こちらに向かって歩いてきた。
「お疲れさま、休み明けの授業はどうだった?」
そう話しかけてくるのは “海原水” 僕の友人である。
「国語があったから楽しいとまでは言えないけども、よかったよ」
「そっか、そういえば放課後は何か予定ある?」
そう言われスマホでカレンダーを起動するが特に大した用事はない、お菓子を買いたいだとかのいつでもできそうなものだ。
「大丈夫、今のところは特にないよ」
「それはよかった。なら部室にこれる?頼みたいことがあるんだ」
「頼みたいこと?僕にできることがあるならまかせて」
水はよくカメラの練習でモデルになってくれるため、頼みを断ることはしたくない。
僕は人にカメラ好きと言うことをあまりできない。というのも僕の実力が未熟すぎるのが1番の理由である。
それでも水は僕のカメラワークを受け入れてくれるため僕も頑張れる。
だから今、水の存在は本当にありがたく感じているのだ。
「色々買ったんだ。さぁ、ロシアンルーレットといこうか」
水はニヤニヤと笑いながら持っていた袋を上にあげ主張してきた。
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