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翌日の新聞には、
家の近所の川で溺れて亡くなった見知らぬ男性が載っていた。
酔っぱらったような感じで、
フラフラとした足取りの人物がその時にいたのを、
たまたま通りがかった車のドライブレコーダーが映していた。
誤って転落したようにしか見えなかったらしい。
松永はその記事をサラッと読み飛ばした。
目が覚めても、シロは居ない。
その事実は変わらないのだ。
彼が渡したシロップは、どちらも毒だった。
身近にある誤飲性の高い液体で、実際に事故も多いらしい。
だが、何も知らず毒を盛られたシロと同じ苦しみを、
あいつにだけはどうしても味合わせたかった。
記録した媒体を参考資料として警察に送りつけると、
松永はいつもとかわらない笑顔で、動物の世話を始めたのだった。
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